2017.12.11 景色と、とも(友)にあるもの 
背景と、ウィスキー

ウィスキーというお酒は、
どこか、とっつきにくくて今まで敬遠してきていましたが、
最近じわじわとその魅力にはまりつつあります。

味や香りは勿論のこと、
銘柄の産地、種類や製法など、そのお酒にまつわる背景を知り、
そんな豆知識を教えてもらいながら飲むウィスキーは、
一杯で二度、美味しいです。

 

仕事終わりによく連れて行っていただく、事務所の近所のブリティッシュバー。所長も大のウィスキー好きです。

 

蒸留所のある地域によって「◯◯ウィスキー」
などといった分類があることも最近知りましたが、
その中でも個人的なお気に入りは、スコッチウィスキーです。

そんなスコッチウィスキーの名称は、古い母国語から成り、
その蒸留所がある場所の特徴を意味しているものが多いそうです。

例えば、
ボウモア:大いなる岩礁
ラフロイグ:広い入り江の美しい窪地
グレンフィディック:鹿の住む峡谷
などなど。

名前の意味から、その蒸留所が建っている風景が思い浮かぶ、
なんともおしゃれなお酒だ、!

そう言われてみると確かに、ラフロイグのツーンとした後味には
磯の香りが混じっているような・・。

またひとつ、
このお酒の楽しみ方の幅が広がりました。

 

物の由来や背景を知る、などといったちょっとした知識は、
その世界をさらに広げるためのきっかけづくりになります。
それは、新しいお酒に出会うように、
新しい街を知ってゆく上でも手助けをしてくれます。

福岡に来て最初は戸惑ったのが、通りの名前です。
福岡の人は、場所を伝える時、道路の愛称でよく説明します。

歴史も古く、博多の町の大通り、「大博通り」
陸繋砂州を通る、その名のとおり、「海の中道」
渡辺氏の偉業を偲んだ、「渡辺通り」
旧路線名をそのまま使った、「城南線」

などなど、由来もバラエティに富んでおり、
その通りを説明づける特徴や歴史が含まれています。

下の写真は、博多区役所前にある
通りの愛称のマップです。
まだ行ったことのない、変わった名前の通りもたくさんあり、
その場所への興味もそそられました。

 

タイトルのフレーズからも、通りに対する愛情が感じられます。

 

ものの名称には理由があり、
それを紐解くと見えてくるものは
行ってみたい、さらに知りたい
といった知的好奇心を刺激してくれます。

地名だけでなく、建物の名称にも
その建物を説明づけるような由来を発見。

国体道路沿いにある複合商業施設、キャナルシティです。

キャナル(canal):運河
施設内に運河が流れており、その周りに店が並び、
広場や噴水の周りに人々が賑わっている様子は
まさに「運河の街」です。

 

「都市の劇場」というフレーズが計画のコンセプトらしいです。そんな劇場のように、働く人々をフレームで切り取った景色を見つけたので思わず写真に収めました。

 

そんなキャナルシティですが、
テナントの営業時間外でも施設内を通り抜けることができるため、
屋根のかかった半外部空間が
雨の日の通勤に嬉しいルートになっています。

 

通勤する会社員も多く見かけます。あらかじめ建物の動線を知っていたからこそ、ちょっと得した出来事でした。

 

この建物の様子はまさに運河のごとく、
人々の生活の流れも運んでいます。
街に開けており、
街の流れをスムーズに運ぶ装置のような建物だなと思いました。

その雨の日に体感した気づきによって、
「運河の街」というよりも、
街の一部として機能していて、
それを「運河」と比喩している建物なのではないだろうか、?
なんてことを思いながら、
名称の理由を自分の中で再解釈してみました。

 

人から教えてもらったり、調べたりした情報をバックデータに、
実際に訪れて、見て、体感したものは、
自分というフィルターによって咀嚼され、
新たな知識としてインプットされていきます。

ひとたび知れば知るほど、
だんだんと興味が湧いてくるような街はたくさんあるはず。
そこに足を踏み入れ、そこにある背景を知ると、
“一度で二度美味しい”世界が開けてくると思います。

食わず嫌いならぬ「飲まず嫌い」のように、
「知らない街、知らず嫌い」なんて、もったいない。

とりあえず、気になった愛称の通りから探検してみようかな。
未だ見ぬ美味しいお酒にも出会えたりして、、
いろんな意味で、“一度で二度美味しい”探検になるはずです。

 




高瀬舞


1993年、田舎生まれ、田舎育ち。北九州で建築を学び、福岡に来て2年目。
建築士目指して修行中。将来の目標は、築80年の実家を自分の設計で改修すること。
好きなものは、廃墟とお酒です。
西日本工業大学卒業(2016)、アートレ建築空間(2016~)