2017.9.25 マチ#タグ 
#04 商店街の魅力

住めば都と申しますが、僕は住処を決めるキーワードとして「商店街」が真っ先に挙がってしまう性分です。以前、仕事で居住した東京では漫画サザエさんで有名な「桜新町商店街」がありました。大阪では松下幸之助の創業の地でもある野田界隈。これまた徒歩圏に「野田新橋筋商店街」という下町的な商店街がありました。

 

今、地元である福岡の住処でも早良区は西新藤崎エリアの商店街が徒歩圏にある次第。勝手良いメイン通り、数は少なくなりましたが今も元気に行商に来られるリヤカー部隊もなかなかですが、路地裏に一歩入り込めば個性的な商店達がお出迎え。また買物だけでなくこの界隈で商売を営む友人、居住する友人らに時に遭遇しては近況や仕事の情報交換をしたりと、そんな出逢いもまた楽しいもの。現在、かつてあったプラリバ(旧西新岩田屋)跡地における大型の再開発、所々でマンション建設が散見されますが、自分の思う”らしさ”残る「商店街の風情」は幾つになっても心地よいものです。

 

#西新藤崎 #路地裏 #売り切れ #再開発@旧西新岩田屋旧ダイエートポス #サザエさん

さて話は変わり「153」という数字。これは福岡市が認識している商店街の総数。区別では中央区が最も多く、次いで東区、博多区の順。一番少ないのは城南区で何と2箇所。とある調査データを見ると、福岡市内の商店街あたりの平均テナント数は約40店舗。市内27%の商店街でテナントが年々減少中。商店分野別の減少では特に衣料品店が多く、顧客層のメインは60才以上の女性で4割が徒歩、2割が自転車と至って「近所使い」がメインという調査結果。

 

地域差もあるのでしょうが、後継者問題のみならず顧客層の世代交代の難しさ、そこに商圏エリアの先細りが重なると、日々購入する必要のない部類の小売商売にその現実がまず生ずる。データから垣間見える問題は福岡市内の商店街に限らず、これは全国共通の問題とも言えます。(参照:平成26年 福岡市商店街実態調査

 

ここで、153箇所ある福岡市内の商店街をひとつ実際に見てみましょう。中でも先の福岡大空襲を逃れたこともあり、昭和風情が今なおも色濃く残る商店街をご紹介。場所は福岡市東区は吉塚1丁目にある「吉塚商店街」です。ここから「商店街」の魅力とは何か?写真とともにその魅力に追ってみましょう。

 

#吉塚商店街 #吉塚地蔵尊 #星野吉実・吉兼兄弟

商店街入口付近にある「吉塚地蔵尊」。戦国時代、敵4万に対し自軍は5百で”しんがり”のお役目。負け戦と知りながら義に駆られるも、その生涯を閉じた星野吉実・吉兼兄弟を450年前この地に祀る。祀ったのは敵陣大将という物語。この地区名の由来(吉×塚)でもあります。因みに写真中央上部にある「煙突」は明治頃よりあったとされる銭湯の遺構(現在廃業)。ん〜深い歴史です。

 

 

#いしかわ鮮魚店 #玄界灘の鮮魚 #博多の旨い魚 #福岡市内のレトロ商店街 #吉塚商店街

いしかわ鮮魚店のお母さん。商店街における存在感抜群の広報ウーマン的な立ち位置。
バツグンの愛嬌と「今日はコレ!買いんしゃい(ビシっ!)」と思わずノせられる(笑)威勢と言いますか活きの良さは鮮魚同様(笑)。自分がココの雰囲気がイイと言わば「こげな福岡市内で一番ボロい商店街のどこがいいと?私にはさっぱりわからん」と言いつつ、この商店街を愛する気持ちは商店街で一番!

 

 

#山本商店の豆腐&豆乳 #西林寺@吉塚 #吉塚商店街イベント #安武副住職

豆腐をメインに扱う山本商店さん。商店街のイベントや至近にある西林寺さんのイベントなど、商店街を中心に地域の世話役的な存在。実は、投稿者である私はこの商店街で月イチマーケットをさせて頂いてまして、その出店場所のお向かいなので偶に電卓やら包丁をお借りしたり、つい甘えが。営業中の忙殺にも関わらず頭の下がる思いですが、こんな瞬時の手助けが実は商店街っぽいような気がします。

 

 

#平和蒲鉾店 #コロッケ #揚げ餃子の発祥地 #商店街のコミュニケーション #地域コミュニティ

一見「黙ってろ!」と言われそうな職人気質の雰囲気ですが(笑)、かなり気さくな平和蒲鉾のご主人さん。定位置に座り黙々と練り物を型枠に、それをひとつひとつ揚げながら「今日はどうね、月イチイベントはどうね?」など適宜、短くも声がけされるその姿がこの商店街らしさを物語っています。コミュニケーションが地域つくりの源泉であるならば、声がけが自然と根付いたコノ商店街はまだまだ健在する証拠。味は勿論ですが、平和蒲鉾さんご指名買い的なファンが多いのも頷けます。

 

 

#田中商店 #漬物 #対面商売 #買物で迷わない #笑顔満載

いつも満天な笑顔でお客さんを迎えられる田中商店のお母さん。普段ご夫婦で切盛りされているのですが、今回シャッターチャンスを逸しお一人でパチリ。さて、実際に購入するとなると種類があまりに豊富すぎて正直迷いを覚えるのですが、サラッとしつつも丁寧に、時に手短に商品レクチャーを受けると速攻で迷い解消。さながら売れっ子営業マンのようですが(笑)、これこそスーパーには無い吉塚商店街の対面商売の極意!

 

 

#吉塚商店街イベント #商店会組合の問題 #子供から大人まで #つながり


懐かしのガラポンイベント。子供から大人まで楽しめるよう景品も様々。上位は和牛セット、刺盛り、天然うなぎの蒲焼きと数々の生鮮を扱う商店街とは言え結構豪華。気になったのは何やらイベント協賛不参加店もある様子。コレは全国的に商店会組合に潜む論点のひとつ。詰まるところ参加メリットの有無、あるいは手間、コミュニティ形成など理由が挙げられます。

 

 

#吉塚商店街連合組合 #福岡市東区 #JR吉塚駅

「吉塚商店街連合組合・上園事務局長のコメント」
将来像として、諸般の問題がありますので議論を重ねる必要はあります。ただ昨今、福岡市内でも少なくなりました「対面商売」が色濃く残る稀有な商店街として、この商店街の良さであるコミュニティ-の維持管理を軸に変える必要なきことは守って行きたい。他所になく安くて良い商品が沢山ありますので、どうぞ皆様でお越し下さい。※なお毎週土曜日は「特売日」です。(今回、少々硬いコメントで表現させて頂きましたが、写真の通り普段は気さくな事務局長さん)

商店街の休業日・基本的に日曜日(営業時間等は各店舗にお問い合わせ下さい)
「吉塚商店街」ホームページ
 

 

#月イチマーケット@吉塚商店街 #発見 #お客さんの生の声 #熊本 #対面商売

吉塚商店街内にある空き店舗を活用し、熊本県多良木町は槻木地区の農家野菜を、地元生産者が直接販売する「月イチ産直マーケット」を開催。仲間とともに自分も毎月お手伝いをさせて頂いてます。朝9時前にオープンし昼には生鮮野菜はお陰様でいつも完売。告知は現地のみですが、大勢のリピーターさん達に支えられています。

 

以上、このような商店街です。イイ感じです。
さて、このように脈々と流れる時間とコミュニティ−が創り上げた「商店街」というのは、そう簡単にできるものではないこと少し実感頂けたでしょうか。ただ一方で建物や施設の老朽化は結構な問題で、一店舗として不動産の資産活用といった視点では店側の判断で将来判断もできるのですが、商店街共有の資産維持および活用といった話ですと複雑になるもの。特に全国のアーケード系の商店街にはすべて当て嵌まる話なのですが、これはまたの機会に。

 

最後に「商店街の良さ」とは何でしょう。思うに商いをする「街」である以上「人」でしかありません。ここで言う人とは「商い」する場、「店」という場、そこに「街」が創られてゆく関係を結びつける「人」であり、街に参加する意志ある「当事者意識」を如何に持つことかに掛かっているように思います。更には「店主」「お客さん」「地域またそこに関わる人」もっと言うならば「そこに興味が湧いた人」全てが当事者なんだろうなと。

どうやら自分の住処と商店街の関係性を断つということは、この文脈を振り返るに当面は無理っぽい性分のようです。

 

岡本 剛




八人力


主に建築設計に従事する15名が集まった集団。
「まちから退屈をぶっとばせ!!」をミッションに、日々活動中。
http://8ninriki.jp