2017.7.11 景色と、とも(友)にあるもの 
屋台と、焼酎

福岡に来て、「おおお〜」とベタに感動したのがこの風景。
一瞬にしてたちまち現れる魅力的な飲食空間、

屋台です!

 

 

福岡の夜の景観を構成するものとして欠かせないのが、屋台。
ゴロゴロゴロ..と、どこからともなくやってきて、
あたりが暗くなるとたちまち浮かび上がる、まちのもう一つの顔です。
カラフルな暖簾や提灯の店の連なりが、夜の街並みを彩らせます。

 

そしてお供は、、、
これまた福岡の飲みの定番、焼酎!
ビールもいいけれど、屋台では少し渋く飲みたい気分です。
夏はスッキリ水割り、冬はホッコリお湯割り。
うん、温熱環境にも順応してる。
屋外で景観を堪能するにぴったりのお酒です。

今回は、そんな福岡の定番、屋台で焼酎を飲みながら
「福岡の定番」について考えていきたいと思います。

 

屋台に入るのは毎回、少し勇気がいります。
深呼吸して、のれんをくぐり、店の中へ。

おでん、焼き鳥、ラーメン・・
福岡の定番な美味しいものが、ずらり。

 

もちろん、焼鳥には豚バラも!ちなみに焼酎は芋派です。

 

ほかにも屋台には、天婦羅、イタリアン、中華、バースタイルなど、
豊富なラインナップが揃っています。
屋台という一つの秩序の中で、
多国籍・多種類なものが混同した様子は、
博多川沿いのネオンの風景と似ています。

屋外という、オープンな空間にある飲食店であるにもかかわらず、
居心地が良く、どこか落ち着くのは、
3×2.5mのミニマムなスケール感だからでしょうか。
天井の低さや座席同士の距離感もいい感じです。

 

『姉ちゃん、いい飲みっぷりやね。一杯奢っちゃるばい』
『人増えたけん、ちょっとつめてくれんですか』
『はい、これオマケね(おでん)』
そんな、お店の人やお客さん同士のコミュニケーションも
屋台の楽しい定番です。

 

現代っ子風に例えると、屋台は、
SNSのトークグループを実体化したような空間だなと思います。
屋外というオープンな場なのに、トークの参加者は
その「屋台」というコミュニティの中で
見ず知らずの人とも気軽に、会話を楽しみます。
目に見えない、ほどよい距離感とお酒が
一時の飲みの席を楽しませてくれます。

 

妄想SNS(social 飲minication structure)

 

そんな人々でいつも賑わっているため、
人が集まる場所というのは
それだけで魅力が増すという人間の心理も作用し、
さらに人が集まります。
そして入ってみると、気さくに迎えてくれる店の人や、
常連さんを筆頭としたお客さんのコミュニティが広がっています。
このように「人」も、人情味溢れるまち、福岡を象徴する
景観のひとつであると思います。

 

また、福岡の景観を特徴づける人々が多くなるのが今の季節。
法被(はっぴ)を着た山笠の方たちを街でよく見かけます。
テレビやネットニュースからの端的・直接的な情報ではなく、
徐々に変わる街と人の雰囲気で
季節感を感じれるとは、なんとも粋ですよね。
飲みの席で、その法被を着た人が店内に入ってくると
少しテンションが上がるのは私だけでしょうか?

 

昼間、何気なくまちを歩いていると、こんな姿も見かけます。

 

 

オフの屋台です。
ひっそりと出番待ちをして、行儀よく整列しています。

 

学生時代、福岡は「たまに遊びに行くまち」だったので
コアなところしか行ったことがなく、
こんな光景を目にすることもありませんでした。
オフの屋台の姿を見かけることができるのは
このまちに住み、日常的に町中を移動しているからこそ
見ることのできる景観だなと思います。

 

街には、その街なりの定着しているものが
あちらこちらの場所・時間に点在していて
それが、まちの個性を引き出し、
その地域特有の景観を形成しています。

街の「定番」・「らしさ」を、体験することで
手っ取り早く、まちの楽しさを知れる気がします。
福岡の街をもっと知りながら、
ついでにおなかも気分も満たすために、
これからも福岡の夜の景観、
屋台を楽しんでいきたいと思います!

 




高瀬舞


1993年、田舎生まれ、田舎育ち。北九州で建築を学び、福岡に来て2年目。
建築士目指して修行中。将来の目標は、築80年の実家を自分の設計で改修すること。
好きなものは、廃墟とお酒です。
西日本工業大学卒業(2016)、アートレ建築空間(2016~)