2017.6.7 景色と、とも(友)にあるもの 
屋上と、ビール

福岡市在住2年目、社会人2年目、
仕事柄、景観というワードに敏感になってきつつありますが、
まだまだ景観とも福岡の街とも仲良くなれていない気がします。
そんな福岡の街といえば美味しい料理とそれに欠かせないお酒。
ここ1年だけでも、たくさんの福岡の「美味しい」に出会い、
色々な人と交流できた気がします。

そこで、景観との距離も縮めるべく、
お酒とともに、福岡の街と景観について思ったことを書かせていただきたいと思います。

第一回目は、「とりあえずビール」をお供に、景観と〝サシ飲み〟したいと思います。

学生時代、屋上でお弁当を食べてみたり、愛を叫んでみたり、
そんな青春ドラマのようなシチュエーションに出会ったりするわけでもなく、
小・中・高と、屋上は立ち入り禁止の場所でした。
そんな屋上は、行ってはいけないけど行きたい、憧れの場所でした。

その感覚に少し似ているのがビール。
周りの大人が美味しそうにビールを飲む光景はよく目にしていて、
一番身近で分かりやすいお酒が、ビールでした。
しかし子供の私には踏み入ることのできない、
特別な世界のように見えていました。

そんな幼い頃の私の、憧れをまとめて叶えてくれるのが、
近年、夏の風物詩とも言える、屋上ビアガーデン。

ということで、
屋上ビアガーデン、行って参りました!

場所は、天神の某ビルの屋上。
明るいうちからビールを飲む謎の罪悪感と優越感にひたりながら、
天神の街を見下ろしつつ、一気に喉にビールを流し込む。最高のシチュエーションです。

 

一杯目は待ちきれず飲んでしまったので二杯目で乾杯写真。夕焼けも綺麗です。

 

まわりのビルを見てみると、いくつか発見も。

緑化した屋上、
フットサル場になっている屋上、
キラキラした外壁とは反して上からみるとざっくばらんな屋上、
などなど。
普段見えない建物の別の表情が見えてきます。
隣のビルの屋上にもビアガーデンを見つけました。次はそこに行こうかな。

建物の高さの均一さも屋上から見ると改めてわかります。
福岡の街は空港が近く、そのため建物の高さを抑える規制があるというのは
よく聞く話ですが、上から見てみると一目瞭然。
ビルのボリュームが揃っています。
まるで乾杯時にお盆で運ばれてきたビールのよう。。

 

アクロス福岡の屋上からみた景色。揃ってます。ちょうど飛行機も映り込んでくれました。

 

福岡はよく、〝住みやすい街〟と表現されますが、
背伸びし過ぎず、かといって縮こまってもしない、
ヒューマンスケールな街だからなのかもしれません。
それには、なかなか目で見て確かめることの難しいけれど、
屋上から眺めていると、そう思える高さの決まりも
起因しているのではないでしょうか。

普段見ることのない、ビルたちの頭頂部を見下ろし、
普段味合うことのできない、屋上・屋外で飲むビールは格別です。

お酒の味を覚えてまだ3年足らずですが、
私はビールの何に幸せを感じるのか。
改めて考えると、味というより、喉ごしというより、
「ビールを飲む」という事実が好きなのかもしれません。
乾杯のビール、お疲れ様のビール、おめでとうのビール、はじめましてのビール、etc..
きたきたきたきた、という気持ちになります。
ビールには、「その先」を想像させるわくわく感があります。

それは、屋上に登るという行為と似ていて、
何か目的を持って登りたくなるわけではないけれど、
そこにありそうな『何か』を期待して登りたい、登る、
その過程にわくわくわくわく。
結果、その先には、普段と違う景色や発見が広がります。

屋上に登る行為は、大げさに言うと、街の全貌を見ること。
知らない街を知りたいというシンプルな欲求の現れなのかもしれません。
そして自分で見て確かめた景色は、
どんな綺麗な写真や映像よりも強く記憶に残ります。
ビールも手助けしてくれたりもして・・。
まさにサシ飲みです。

そんな魅力あるビールの起源は、
メソポタミアまでさかのぼるのだとか。
人類初の文明にはもうビールが誕生していたとは!

そして、人々との生活や嗜好に合わせて材料や製法が工夫されてきました。
古くから人々に親しまれ、人の文化に寄り添ってきたんですね。
そんなことを思って飲むと、なんとなく感慨深いような。。

そのビールを、まちの中心で、しかも屋上で飲む。
ビアガーデンは、なんて素晴らしい文化なのだろうか。

梅雨が明けると、屋上ビアガーデンの本格的な季節まっしぐらです。
そこには、わくわくするような出会いや発見があるかもしれません。
無かったとしてもきっとビールは美味しいです。




高瀬舞


1993年、田舎生まれ、田舎育ち。北九州で建築を学び、福岡に来て2年目。
建築士目指して修行中。将来の目標は、築80年の実家を自分の設計で改修すること。
好きなものは、廃墟とお酒です。
西日本工業大学卒業(2016)、アートレ建築空間(2016~)