2016.12.12 福岡の水辺妄想 
Vol.4:FUKUOKA WATER TWILIGHT CRUISE(福岡市中央区)

野河内渓谷「CAFÉ SYUGYO」で出会った新たな恋の予感。

今日は二人の初めてのデートだ。

場所は、福岡の水辺風景のハイライトとなる那珂川のリバーフロント。男からの提案だ。

福岡都心の水辺クルーズに心躍らせながら向かう女の心はまさに青天井である。

 

私、今度こそ素敵な恋ば成就させちゃる

 

150万人都市福岡の都心を流れる那珂川の水辺クルーズは、若い男女にどんなロマンティックを魅せてくれるのだろうか。

 

女:「久しぶり!」

男:「僕たち、またミズベで出会うことができたんだね。」

そんな他愛もない会話をしながら、二人はクルーズ船に乗船した。

 

「Nakagawa Exotic River Cruse」

揺らめくネオンと心地よく流れるサクソフォーンの音。

時折聞こえてくる那珂川沿いの屋台の威勢のよいおっちゃんの声。

まさに福岡市の水辺を象徴するサウンドスケープだ。

 

「ん?」男は何かに気がついた。

見渡すとミズベに面したビルには回廊、オフィスビルやマンションには那珂川に張り出すようにデッキが伸びている。

心地よい水辺の風にあたりながら、人々が2人の乗船するクルーズ船へ優雅に手を振っている。

見渡すと、オリンピックを間近に控え、福岡市を訪れる海外旅行者数の増を狙った「HAKATA BAY SUNS」や

那珂川の水辺の散策を楽しめる「博多大桟橋」もオープンしたばかりであった。

男:「まるで、僕たちの船出を祝ってくれているようだね。」

そう男は女につぶやいた。

 

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那珂川沿いにデッキが張り出し、賑わいを創出している

 

ACROSS Vala ga matte WALL

博多湾を折り返し、いよいよクルーズ船は薬院新川に。

普段であれば干潮のこの川も、今日ばっかりは満潮に。

「僕の想いが溢れすぎて、薬院新川が愛の洪水になっちゃった♡」

女は言葉を失っていた、というよりも男のめくるめくミズベマジックに陶酔しているようである。

 

ふと見上げるとひとひらのバラの花が落ちてきた。

男:「バラの花言葉って知ってる?」

女:「えっ、わからん。なんて花言葉と?

男:「“ロマンス”、だぜ。」

 

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アクロスの川側立面に100万本のバラが植えられた

 

HARUYOSHI Shittory no Mocca(春吉シットリーノ モッカ)」

薬院新川を進んでいくとほのかな灯りが見えてきた。

普段はコンクリート舗装された無機質な川。

そんな川も夜になると鬱蒼とした木の枝葉の下にほの暗い灯りとともに二人だけの特等席テラスが現れる。

HARUYO Shittory no Mocca」。

知る人ぞ知る、春吉のミズベの名店である。

この店は、よだれ滴る春吉のグルメと二人の距離を縮めるカクテルが自慢だ。

ただし、この店には厨房がない。

すべて近くの名店から食事やカクテルがドローンで宅配されるシステムとなっている。

男は、「”ビトウィーン ザ シーツ”と”キス イン ザ ダーク”」を注文した。

どちらも、愛を親密にする大人のカクテルだ。

男:「君の瞳に、乾杯。」

ウインクまで添えた、鳥肌が立ってしまうレベルの乾杯で、二人だけの夜が始まった。

 

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要予約の二人だけの特等席

 

NAKASU Love Jack

女:「今日はありがとう。私、そろそろ終電やけん、帰らんといかんちゃん。またあそぼ。」

男:「ちょっと待って。最後に君へ特別なものを準備したんだ。」

男の鼻息はこれまでになく荒くなってきた。

二人はテラスを後にし、二人は那珂川で秋の夜風に吹かれながら、男はおもむろに指をスマホにあてがった。

「どうしたと?ポ●モンしようと?ごめん、そろそろ終電間に合わんけん先行っていい?」

女は男に尋ねた。

男:「ほら、あの看板を見てごらん。」

 

“君の瞳には僕しか写ってない。”

 

「・・・キメた。」男は確信した。

 

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スマフォでアプリをダウンロードするとネオン看板にメッセージや動画、写真を投影させることができる。

 

 

【ツアー情報】

名称:Exotic Fukuoka Water Twilight Cruse(E.F.W.T.C)

所在地:福岡市中央区周辺

ツアー料金:2人で19,800円(乗船料、ディナー、バー利用、電光掲示板使用料含む)

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この物語はすべて妄想です。実在の人物や団体等とは関係ありません。

 

みなさま、お楽しみいただけましたでしょうか?

福岡の都心のど真ん中で、こんなエキゾティックな空間を演出する水辺があることは、意外にも知らなかったのではないでしょうか?

前回の野河内渓谷で出会った男との恋の行方。

その恋は甘くなるのか、はたまた水に流したくなるような物語になるのか。

来月の妄想もお楽しみに!

 

 

ライター:喜多峻平 / イラスト:いしいえりこ




anabafudosan


2013年から、「福岡のここがこうなったらいいな」という妄想を、写真の上にイラストを重ねることでビジュアライズする活動を実施している架空の不動産会社。メンバーは主に、まちづくりや都市計画、建築設計、不動産にまつわる会社や事務所で働き、会社の枠を超えた大人の部活として活動している。