2016.11.21 マチに力を借りるとき 
道路標識と街の風景

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私も既に40代半ば。これくらいの歳の方と例外無く、時間に追われ、慌ただしく日々を過ごしている。

毎日の様に車に乗り、たぶん数百という交通標識と数ある景色に思いを留めること無く、ただ通り過ぎて行く。

 

さて、家人と仕事の合間に川端に行くことになった。どうしても食べたいモノがあるそうだ。

そそくさと用意をして事務所を後にした。

こんな時はたまに乗る公共交通手段である便利な市営地下鉄。

ただし、悲しい事に乗って眺めるとしたら、窓の外に続く地下トンネルの黒い壁か手元の本かiphone。

 

「そうだ、歩いてみよう。」

ふと思い、今日はそんな日常に少し変化を与えるべく、目的地の少し手前の駅で降りてみる事にした。

 

何気なく降りた駅は「唐人町」。

何気なく通りを歩いているとこんな碑を見つけた。

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なんと「ヤクルト」創業の地でもあるらしい!?

スワローズでしょ?東京じゃなかったんだ?と思いながらおもむろにスタートする。

 

どこかしらからビンツケ油の香りが漂ってきた。

近くのお寺の山門に目をやると、お相撲さんが歩いている。

「九州場所。もうそんな季節か。」香りで何となく季節を感じる

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唐人町アーケードは程よい古さが心地よい。

色々な店に目をやりながら目的地へと急ぐ。

 

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アーケードを抜けると昔ながらの佇まいを残す「黒門飴」に出る。

ふと交通標識が目に留まる。

「ん?何かに似てるな?」

「・・・・」

「あ!!ゴレンジャー!アカレンジャーだ!!」

と、アハ体験。
(記憶とは曖昧なもので、似てるのは色だけで、実際はキレンジャーのカタチに似ているがこの時は気がついていない…)

 

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懐かしい雰囲気のショウケースを覗く。家人は衝動買いにも近い様子で黒門飴を買い求める。

 

 

そんなこんなで歩いていると今度はこの標識が目に入ってくる。

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そうお分かりですね?「これはアオレンジャーに似ている!」もう内心ニンマリ。

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画像を90度まわすと。。ほら!アオレンジャー。

「どうせ歩くなら、標識・看板シバリでゴレンジャーを完成させよう!」

ってな感じに勝手なミッションを思いつき、私は勢いづく。

こうなってくるとあらゆるものが様々に見えて来て街を歩くのが楽しなってきた。

 

「ゴレンジャー、ゴレンジャー」と、呪文の様に反芻しながら通りを歩く。

そうすると何気なく見ていた標識が面白い。

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「これは悪魔?バイキン?」

 

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これは。。。

「右曲がりのダンディ!」
(いやいや、誰もそうは思わないでしょ!!)

 

 

やっと大濠公園まで歩いてきた。

よく考えると、家人と2人で大濠公園を歩く事なんて10数年ぶりだろうか?

折角なので日頃は地下鉄で景色も見ずに通過しているこの場所も歩く事にした。

 

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大濠公園を抜け、荒戸まで歩いてきて信号待ちをしていると

 

「!!!!」

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「な、なんて窮屈な思いをしてる矢印なんだ!!」

小さな枠の中に閉じ込められたそれはとても窮屈そうに見えた。

 

信号が変わる。今度は二人の頭をもたげる矢印が出現したではないか!

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上司と共に申し訳なさそうに腰を曲げるそれは、もう私を含めた世のお父さんにしか見えない。( T T )
(信号矢印に感情移入してしまう私こそ実は精神が疲弊しているのであろう。。)

 

そんな世のお父さんたちの哀愁に心を傷めつつ、大手門にさしかかる。

すると、あるものを遠くに発見!

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駐車場のPマークの中にあるこれが目に入ったのだ。

そう♡マーク。「モモレンジャー・・・・・」

見えなくもない。

コジツケも良いとこだがとりあえず採用。

 

 

歩道を歩く。見上げると緑の標識の自転車のサインが何ともカッコいい。

「ムムム!!!!」

「仮面ライダーエグゼイド!」もう何にでも結びつく。

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よく見ると右側の歩行者専用の標識も何気に可愛い。

 

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少し廻りに目をやると、福岡城のお堀ももう秋模様。たまには歩いてみるのもいいものである。

 

次第に目的地に近づいてくるも、中々面白標識・看板は見当たらない。

那珂川を渡る。初めてリバークルーズ船というものを見つけて立ち止まった。

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おもむろに顔を上げると、そこに顔文字が!

「(><)」イタタタタ。。。

まさにこんな感じ。待てよ?

見ようによっては、スパイダーマンにも見えなくもないんじゃないか?

では、下の標識は何だ?

そんな事を考えながら、今日の旅は終盤に近づいて来た。

 

そうか、思いつきで始まった今日の交通標識を巡る街歩きは、とても小さな「旅」だったのだ。
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やっと本日の旅の目的地に到着。

 

家人がお目当てのモノを注文する。

そして、私は何故か勝手に決めた今日のミッションを反省する。

 

結局ゴレンジャーはコンプリート出来なかった。

次回?の課題としよう。

しかし、エグゼイドとスパイダーマンは見つけた。

そして何より家人と福岡の街と匂いを感じる時間が出来たから良いではないか。

 

独りよがりの男は独りよがりに納得するのだ。

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お目当ての「すずのパフェ」が運ばれて来た。

私は家人をそっちのけでパフェを頬張るのであった。

 

結果、地下鉄費用260円が浮いて歩いてカロリー消費、高級パフェで財布の中身も消費。。。

 

 

風景の楽しみ方は一通りではない。

自分なりの楽しみ方を見つけて街を歩く。

独自の楽しみ方は独自の視点を生む。

街はそれぞれに語りかけてくる。

新たな視点は新たな発見を生む。

こんな街の感じ方も楽しいものなのだ。

 

 

平田大和

 




八人力


主に建築設計に従事する15名が集まった集団。
「まちから退屈をぶっとばせ!!」をミッションに、日々活動中。
http://8ninriki.jp