2016.11.7 福岡の水辺妄想 
Vol.3:CAFÉ SYUGYO(福岡市早良区野河内渓谷)

 

ある週末、私は都心を離れ、佐賀との県境にある野河内渓谷を訪れた。

あんなに大好きだった彼と別れた傷は深く、癒えそうにはない。

そんな最中、親友から「傷を癒すにはとっておきの場所」と紹介された、その言葉を頼ってみることにした。

私がその門戸を叩いたのは、CAFÉ SYUGYO。

最近、傷ついた若者たちの間でにわかに話題となりはじめている、本格的な修行を体験できる新感覚カフェだ。

私のこの傷ついた心を本当にこのカフェで癒すことは出来るのだろうか。

何にせよさっそく修行が始まるようだ。

 

 

第1の試練「写経」

 

カフェに入り一番最初の修行は写経である。

しかし一般的な写経とは大きく異なっている。

 

はじめに、大きな真っ白な紙に彼との思い出を全て書き出す。

これだけでもかなりきついが、それを目の前の川に思い出と一緒に流さなければならない。

 

次に、スマホに入っている彼の写真やSNSのメッセージ等すべてを自分の手で消去していく。

 

思い出を掘り起し、消し去ることはかなり辛いが、ここの写経で、彼との思い出と決別する覚悟を持つことができた。

 

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第2の試練「歩行」

 

次に、ここでは川の中をひたすら歩く、これぞ修行といったところだ。

しかし、ただ歩くだけなのだろうか。

耳を澄ますと、川のせせらぎが「泣きなさい」とささやいてくるようだ。

 

そして私は、歩きながら思いっきり泣いた。泣き声は滝の豪快な音が消してくれていた。

 

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第3の試練「瞑想」

 

歩き、そして泣き疲れてきた頃に次の修行が始まる。

川床に座禅を組み、心を無にして瞑想する。

 

あれだけ泣いたのだから、もう涙は出ない…はずなのに…。

一筋の涙がこぼれる。

 

その瞬間、「バシンッ!」と右肩を叩かれた。

涙を流すと、問答無用で警策をいただくことになるようだ。

これを最後の涙にしようと決心し、次の修行に向かう。

 

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第4の試練「滝行」

 

これまでの修行で過去と決別した。

あとは前を向いて次に進むだけ。

そんな私の前に現れたのは、急峻な滝。

前に進むには、この滝を超えていくしかないようだ。

 

もう後ろは振り返らない。私は次に行くんだから!

そんな必死な思いで、私はこの滝を登り切った。

 

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第5の試練「修了」

 

滝を登り切った先には、美しい景色とジョイフルなホットチョコレート※が用意されていた。

ホットチョコレートで体を温め、ホッと一息をついた。

ふと横を見ると、これまで一緒に修行をしてきた男性の笑顔があった。

その瞬間私の中で、新しい何かが芽生えた…。

To Be Continued…!

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※ホットチョコレートには、恋愛ホルモンといわれるフェニルエチルアミンたっぷり含まれている。

 

 

【施設情報】

名称:CAFÉ SYUGYO

所在地:福岡市早良区飯場野河内渓谷

参加料金:5,000円(お布施、貸し行衣代、ホットチョコレート代含む)

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この物語はすべて妄想です。実在の人物や団体等とは関係ありません。

 

前回玄界島での妄想で登場した彼女が引き続き登場しました!

今回の妄想は、彼女のように失恋した人や、仕事に悩んでいる人、単純に修行してみたい人などにオススメの都心を離れた修行カフェでした。

舞台の野河内渓谷は、人も少なく、博多から車で40分のまさにアナバ避暑地です。

さてさて、次回はどんな妄想が繰り広げられるのでしょうか。

皆さまお楽しみに!

 

担当:土田翔平




anabafudosan


2013年から、「福岡のここがこうなったらいいな」という妄想を、写真の上にイラストを重ねることでビジュアライズする活動を実施している架空の不動産会社。メンバーは主に、まちづくりや都市計画、建築設計、不動産にまつわる会社や事務所で働き、会社の枠を超えた大人の部活として活動している。