2016.2.15 そこに流れる音楽 
歌詞の中にある「景観」

尾鈴山1

筆者撮影:東九州自動車道 西都IC入口から遥かに仰ぐ「尾鈴山」(中央の山)

 

そこにある音楽

歌詞の中にある「景観」

思い浮かべる、心の山

 

あっというまの一年ですね、橋口です。

今回も音楽好きな男の独り言ですが、ひとつ、お付き合いください。

 

私はジャズやロックなどポピュラーなミュージックが好きなので、そのようなネタばかりを取りあげていますが、当然ながら他にも音楽は幅広く存在します。その中で景観というか景色が見えるものはないかなと考えて、子どもの頃のことまで記憶を遡りました。すると、ありましたありました。場所というか風景が出てくる歌。それはみんなで歌ったというか歌わされていた「校歌」です。

 

思い出話になってしまい恐縮ですが。僕は田舎者でして。小学校1年から5年まで宮崎市のある小学校に、片道約3kmの道のりを歩いて通っていました。なんせ家の横の道が校区境だったので、在校生の中でも最も遠かったんですね。

昭和50年代、団塊ジュニアの子どもたちがたくさん居た頃でして。母校も在校生が1,500名を超えたため、6年生の頃に別の小学校が開校。1年間だけその小学校に通ったのですが、やっぱり校歌は最初の5年の方しか覚えていません。

 

その校歌の中に「はるかにあおぐ、おすずやま」という歌詞が出てくるのですが、何の山なのか、歌で覚えてから約40年間、今まで一切興味なかったのですが(苦笑)そのままではお恥ずかしいので、今更ながらですが調べてみました。

 

おすずやまとは「尾鈴山」「御鈴山」と書くそうで、宮崎県の都農町と木城町にまたがる、九州山地の山のひとつです。標高1405.2m。その山の一帯は『日本の滝百選』にも選ばれている「矢研の滝」をはじめとする約30もの滝があり、「尾鈴山瀑布群」という日本の名勝、また県立自然公園に指定されている、自然豊かな場所だそうです。猛烈な興味が出ました。行っておけば良かった。今度行きます、いや行きたいです!

 

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都農町観光協会ホームページ(http://www.tsunokanko.com/page/osuzuyama.html)より。「名勝指定された国内唯一の瀑布群」のコピーがそそります。

 

うちの小学校からでは、いくら市内の外れと言っても本当に遠くに見渡せるぐらいの場所にしかなかったのではと思うのですが。少し興味深いデータがあります。他にもこの尾鈴山は校区に詠われているのかネットで調べたところ(http://kirinosato.fc2web.com/kouka-kagosima.htmというサイトを参考)、日向市で3校、児湯郡で10校、西都市で2校、宮崎市で4校(母校を含む)と、わかっているだけですが19校が尾鈴山を歌詞に織り込んでいました。そこまで入るとは、この山の眺めというか存在が、地元の人々にとってとても大きな存在だったのではないかと。例えばそれはいわゆる山岳信仰(山を神聖なものとして崇拝する自然信仰の一種)のある場所としても有名だったそうなので、教育の現場での理由というよりも、「雄々しく勇壮に、あるいは大らかに育って欲しい」という先人の方々の次世代に対する想いのようなものを感じます(作詞家の先生とか分かればいいんですけどね。想像で恐縮です)。

 

しかし何よりも感心するのは、小学校1年生、7歳の頃に覚えたものを46歳の今でも記憶に残す校歌という歌やメロディの凄さ。音楽って凄いですね。前述の通り私はまだ行ったことはないですけど、心の中で、想像の尾鈴山をずっと仰いで来た同郷のみなさんは多いのではないかと思います。

自分のイメージと変わらない山かな。そうだといいし、違ってもまた発見がありそう。実際に行くのが、楽しみになってまいりました。

 

尾鈴山2

筆者撮影:昨年の大晦日の西都原古墳群から「遥かにあおぐ」尾鈴山。一度存在を知ってしまうと、なんとなくその方向を意識するような気持ちになりますね。

 

 




橋口勝吉


1969年 宮崎県出身 情報誌や専門誌(音楽、演劇など)のライティング、編集、新聞記事執筆、広報業務などを経験。現在はCRIK副理事、専門学校非常勤講師(2001年〜)、コミセンわじろ地域活動応援課主任(2012年〜)