2016.7.4 くらしのなかのランドスケープ 
那珂川の景-①

福岡市内には多くの河川が流れています。東から「多々良川」「御笠川」「那珂川」「樋井川」「室見川」「瑞梅寺川」といったところが知名度も高く、大きな河川ではないでしょうか。

その中で、私にとって身近な河川は「那珂川」です。

「那珂川」は脊振山に源を発し、博多湾へ注ぐ延長約35kmにも及ぶ2級河川で、福岡市中心部を流れていることからも、福岡市民にとって最も馴染みのある河川ではないでしょうか。

今回はこの福岡市民にとっても私自身にとっても身近な水辺「那珂川」をクローズアップし、福岡市域の那珂川沿い(博多湾~那珂川町との市町村境)を自転車で巡って(上って)みました。

今回が最終回ということで、体を張ってお届けしたいと思います!

 

片道約10kmの道のり、スタート地点(河口)は博多湾です。

片道約10kmの道のり、スタート地点(河口)は博多湾です。河川は、川下に向かって右岸・左岸と呼びますので、こちらは右岸側です。

 

河口付近は博多埠頭であり、ベイサイドプレイス博多や博多ポートタワーといったランドマークが立地するほか、その先端には櫛田神社浜宮があり、博多祇園山笠の舁き棒を洗い清める「棒洗い」の神事が行われる場所としても知られています。

 

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河口から上流に向かい那珂川に架かる最初のゲート(橋梁)は福岡都市高速道路。

河口から上流に向かい那珂川に架かる最初のゲート(橋梁)は福岡都市高速道路。

 

右岸沿いはサンセットパークとなっており、都市高速をくぐる形で海岸沿いに歩道が整備されていて、都市高速のゲートを抜けるとそこは福岡競艇です。

 

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須崎橋から見た河口側。結構ギリギリまでマンションが建っています。

下流側の那の津大橋までの左岸側は須崎公園で、奥に見える緑色の屋根が福岡市民会館です。

博多ポートタワー(昭和39年竣工)がいいランドマークになっています。

 

この辺で博多川と那珂川に一旦分かれます(下の写真左の右側が那珂川)。そしてこの那珂川と博多川に囲まれたエリアが「中洲中島町」「中洲」なのです。

その那珂川の方に架かるのが弁天橋。昭和47年の竣工から44年が経ち、なかなか古い橋です。

この辺りまでは職場や住まいがなければあまり来ることはないエリアかもしれません。

 

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さらに上流側に行くと昭和通りと明治通りという福岡市中心部の幹線道路にぶつかり、おそらく皆さんも見慣れた風景が広がってきます。そしてここでさらに分岐します。

 

中央にあるのが水上公園(写真左側が那珂川、右側が薬院新川)

中央にあるのが水上公園(写真左側が那珂川、右側が薬院新川)

 

このエリアは都心の水辺利活用として様々な整備や試みが行われているエリアでもあり、水上公園には現在新たなランドマークとなるガラス張り2階建ての建物が建設中です。7月15日にオープン予定で、広場や憩いの場だけではなく、パンケーキやら中華料理やらが食べられるらしいです。

しばらくの間工事中の殺風景な景観が続いていたので、この建物の完成で水辺の景観は劇的に変化すると思います!

 

その水辺のランドマークを正面に望めるのが昭和通り沿いに架かる「西中島橋」。左岸側には福岡市文学館(赤煉瓦館)があります。現在の橋は最近架けられたものですが、西中島橋の歴史は大変古く、江戸時代には福岡城への入口となる「枡形門」を結ぶ重要な役割を果たしていたそうです。

ちなみに西中島橋の左岸上流側の橋詰部には「福岡市道路元標」というものが敷設されているのですが、これがよく道路標識でみる「福岡市〇〇km」の起点なのです。知ってましたか?

 

写真左:西中島橋(昭和通り) 写真右:福岡市道路元標

写真左:西中島橋(昭和通り) 写真右:福岡市道路元標

 

さらに上流、西大橋(明治通り)と博多であい橋との間、その左岸側は天神中央公園となっており、結構まとまった緑に囲まれた憩いの場所となっています。水際には水上バス乗り場があり、能古島や中洲周遊などができるのですが、最近よく見かけるのは水辺のアクティビティをする姿です。この日もスタンドアップボードを楽しむ集団がいました。都市の水辺利用も常に変化・進化しています。

 

写真左:西大橋から見た博多であい橋  写真右:天神中央公園(水上バス乗り場)

写真左:西大橋から見た博多であい橋  写真右:天神中央公園(水上バス乗り場)

 

 

このエリアの左側(右岸側)はザ・繁華街です。夜の街中洲です。

護岸整備や歩道再整備により、綺麗で歩きやすい空間になりました。駐輪場も再整備され、有料になったせいもあるのか、以前はあふれかえって景観を阻害していた自転車も少なくなりました。

 

奥(上流)にキャナルシティ博多が見えるお馴染みの風景(ちょっとずれてますが)

奥(上流)にキャナルシティ博多が見えるお馴染みの風景(ちょっとずれてますが)

 

さらに上流に行くと、国体道路と交差します。そこに架かるのが「春吉橋」と人道橋である「中洲懸橋(なかすかけはし)」です。「春吉橋」は昭和36年竣工であり、現在那珂川に架かる橋で最も古く老朽化も激しいことから、現在架け替え工事が進んでいます。架け替えに伴い、上流側に賑わい広場も設けられるようで、中洲地区の賑わい拠点としてどのような景観になるのか、楽しみです。

 

「中洲懸橋」から見た那珂川下流側(※ちなみに左岸側が中央区、右岸側は博多区)

「中洲懸橋」から見た那珂川下流側(※ちなみに左岸側が中央区、右岸側は博多区)

 

さらに上流へ200m程進むと、再び博多川との分岐地点となり、中洲エリアが終わります。この辺は清流公園として整備されていて、キャナルシティ博多が近くにあることもあり、夜を中心に賑わいを見せています。

上流側の「灘の川橋」からはその分岐を見ることができ、この橋あたりから景観も少し変化します。

 

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博多川との分岐地点。水面が広い。

博多川との分岐地点。水面が広い。

 

この辺りから色鮮やかな広告看板や建物が無くなり、賑やかさもガクンと減ります。

オフィスビルやマンションは目立つものの、河川沿いも民家が増えてきて、「賑わい」から「暮らし」が見える景観に変化していきます。

といいながら最初に交差する橋が朱色の住吉橋で、なかなかの主張ぶりです。

住吉神社を結ぶ橋で、昔は参道であったこともあり、その名残が架け替え時のデザインとなっています。(現在の住吉橋は平成7年竣工)

 

住吉橋。親柱には福岡市の市章が。

住吉橋。親柱には福岡市の市章が。

 

住吉橋から上流は、約100m毎に大小の橋が架かっており、河川沿いの景観はというと、ビルやマンションが河川際に建っている。そんな景観がつづきます。

 

柳橋(柳橋連合市場のあたりです)       美野島橋(美野島商店街につながる橋です)

写真左:柳橋(柳橋連合市場のあたりです) 写真右:美野島橋(美野島商店街につながる橋です)

 

河口付近から市内中心部とは異なり、このエリアには河川との高低差も大きく河川沿いに動線がないため、少し離れて橋を見つけては渡るという繰り返しで進んでいたところ・・・。

路地かな・・?と進んでみたら川沿いへと下りる階段あり。降りてみるとそこには河川に沿って通路らしきものが・・。おそらく管理用で、いくつか他にもあるのでしょう。意外と簡単に水辺に近づけました。

 

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長い道中とは進んでいくと楽しくなり、特に河口からこの付近は景観の変化も大きいこともあり、ついつい長くなってしましました。

ということで、最終回は2回に分けてお伝えします。すみませんが、あと1回お付き合いください。

 

佐藤さんMAP2




佐藤宣之


ランドスケープデザイン(主に公園設計)に従事して20年余りたつが未だ修行の日々。
近頃の休みは愛する娘(3歳)を連れての市内外都市公園巡りが楽しみ。
酒と肉と映画をこよなく愛する43歳。