2015.8.17 くらしのなかのランドスケープ 
新しい景観の見方・楽しみ方のススメ

今回は、この暑い季節、涼しい場所で楽しめる新しい景観の見方、楽しみ方をご紹介します。

景観の見方・楽しみ方は様々ですが、最近何かと話題のドローンも景観を楽しむ一つのツールとして、その活用の幅が広がっています。

ドローンとは、無人の航空機全般を指すものですが、一般的な動画撮影には、動作制御のしやすさや安全性から、複数の回転翼があるマルチコプタータイプが主に使われています。

測量や調査にもよく使われるようになったので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。

 

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ドローンを使うことで、これまで人が入ることが難しかった危険な場所や災害の現場、海上や橋の裏側、空から俯瞰する視点などの撮影が可能となるため、これまで見ることができなかった新たな角度で景観やその現状を伝えられることから、その使い方が注目されています。

そして最近では、ドローンで撮影した動画と連動し、360°パノラマで景観を楽しむアプリ開発も進んでおり、気軽に各地の景観をバーチャル体験できます。

このようなアプリに触れ、体感できるイベントが、現在長崎歴史文化博物館で行われている「PIECE OF PEACE 『レゴ ブロック』で作った世界遺産 PART-3」(※以下長崎レゴ博)。

記憶にも新しい、九州を中心とした「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録を受け、世界各国の世界遺産の他、長崎端島(通称 軍艦島)をはじめとした長崎オリジナルモデルも展示されており、世界中の優れた景観(世界遺産)を「レゴ」という形で、鑑賞することができます。

 

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長崎歴史文化博物館。設計は建築家 黒川紀章です。

 

その長崎レゴ博の傍ら(出口付近)で開設されているのが、「軍艦島VRジャンプ体験」コーナー。

ここでは、ドローンで撮影した軍艦島の景観を360°パノラマ動画で体感できます。

 

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「ハコスコ」なるスコープ状の箱を手に持って中を覗くと、そこには軍艦島の景色が見え、体を回転させると景色もそれに合わせて変化します。そしてそのまま体ごと「ジャンプ」すると、その景色は一気に上空へと上っていくのです。その瞬間はなかなかの驚きで、上空から軍艦島を見下ろすことができ、なおかつ360°パノラマなのです。

 

これが通称「ハコスコ」。ダンボールでできたシンプルなハコです。

これが通称「ハコスコ」。ダンボールでできたシンプルなハコです。

 

 

その気軽さとゲームっぽさから、子供を中心に大人気です。夏休みということもあり、平日・休日関係なく子供たちが集まり、驚きと喜びの声が響いています。とはいえ大人も十分に楽しめるツールで、リアクションが大きいのはむしろ大人の方です。

スコープを覗き込み、“ぴょんぴょん”ジャンプしては「お~っ!」「なにこれ?」と声を上げる姿は客観的に見るとそれはそれで面白い光景です。

 

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実は別にこのアプリ、「ハコスコ」がなくても気軽に楽しむことができます。仕組みはハコにスマートフォンを差し込んだ簡単なものなので、スマートフォンさえ(※しかしiphoneまたはipadに限定されます)あれば、無料のアプリをダウンロードするだけで自宅でも簡単に体感できるのです。

興味のある方は「VR jump tour」で検索を。

 

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ちなみにこの動画とアプリ(軍艦島ジャンプに関するもの)は、「長崎市(軍艦島管理)」「長崎総合科学大学(調査・研究)」「unity(アプリ開発)」「サンコーコンサルタント株式会社(軍艦島撮影)[私の勤める会社です]」の共同により作成・提供されているものです。

 

海や山、川など様々な場所を訪れ、生の景観を楽しむことがもちろんベストだとは思いますが、このような自宅でも楽しめる新しい景観の楽しみ方を試してみるのは如何でしょうか。

見たことがある景観も、こうした違った視点で見ることで、新たな発見があるかもしれません。

 

 

 

 

 

 




佐藤宣之


ランドスケープデザイン(主に公園設計)に従事して20年余りたつが未だ修行の日々。
近頃の休みは愛する娘(3歳)を連れての市内外都市公園巡りが楽しみ。
酒と肉と映画をこよなく愛する43歳。