2015.7.20 景観室だより 
歴史資源を活かした景観形成等の検討着手について

 

この『景観室だより』では、福岡市の景観形成に取り組む福岡市の取り組みを紹介します。第1回は、歴史資源を活かした景観形成等の検討に着手することにしましたので、このことについて説明させていただきます。

1、福岡市の都心部におけるまちづくりの取組み

○天神や博多駅周辺、ウォーターフロント地区の3つの核を中心とした都心再生等都市機能の強化を図る一方、セントラルパーク構想の推進や歴史のまち博多部の振興といった福岡の深みづくりに取り組むなど、エリアの個性を活かしたコントラストのある魅力あるまちづくり「FUKUOKA NEXT」を推進しています。

○福岡の財産である歴史的建造物やその街並みは、博多祇園山笠や博多松囃子などの歴史ある祭りや伝統・文化とともに、福岡らしい魅力を創出しており、これらの伝統や市民文化を守り、未来に継承して行くためには、歴史的資源やその周辺を含めたきめ細かな景観誘導が必要です。

 

住吉神社 住吉神社
承天寺 承天寺

 

2、歴史資源等を活かした景観形成に向けて

○歴史資源等の周辺において、特に、開発ポテンシャルが高い都心部の商業地域等では(都市景観形成地区に指定されたエリア内を除き)、具体的な建築物等に対するルールがないことから、開発等が進むことで、場合によっては、その景観的価値が損なわれていくことも想定される状況となっています。

○このため、「届出対象の拡大を図る取組み」と具体的なまちづくりルールの策定等「地域と共働によるまちづくりの取組み」の2段階での取組みを検討することとしました。

 

「歴史資源を活かした景観形成」検討イメージ

■「届出対象の拡大」

・現在、市全域で都市景観の形成に大きな影響を与える大規模建築物等について、景観法の規定による届出制度を活用し、周囲と調和した良好な都市景観の誘導を行っています。

※届出対象;建物高さ>31m、または、延べ面積>10,000㎡(市街化区域基準)

・歴史資源等の周辺においては建物高さや面積規模を見直し、届出対象を拡大することで、きめ細かに地域特性にあった景観の誘導を図っていきたいと考えています。(特に権利制限は伴わない。)

 

■「地域と共働によるまちづくり」

・建物の高さや壁面の位置等の形態制限など、具体的な制限を行うルールを決めるには、土地所有者等の合意を得る必要があります。また、魅力あるまちづくりを進めるためには、建物だけではなく公共空間についても一体的に取組む必要がありますので、具体的なまちづくりについて、地域と共働で取組みを進めていきたいと考えています。

 

 

3、検討の進め方

○「届出対象の拡大」は、平成27年度内での制度化を目標に、歴史資源等の抽出や景観形成の誘導を図る範囲、届出対象規模等について、適宜、第4委員会、福岡市都市景観審議会やアドバイザー会議等専門家、地域等からご意見を伺いながら検討を進めていきます。

※「福岡市都市景観計画、福岡市都市景観条例の変更等が必要」

○「地域との共働によるまちづくり」は、歴史資源や地域行事等地域の歴史・伝統を踏まえつつ、地域のまちづくりの機運の高まりを捉えながら、届出対象の拡大の取組みと並行して取組みを進めていきます。

 

 

4、その他まちづくりの推進に関連する検討について

○都心部の回遊性の強化のため、都市サインや屋外彫刻等の活用等について検討を行います。

○コントラストのあるまちづくりを推進するにあたり、地域特性に応じた色 彩景観のあり方について検討を行います。

○都心部以外も含めた全市的に検討を行います。

 

次回は、屋外広告物について説明したいと思います。




正木康徳


昭和40年生まれ。福岡市住宅都市局都市づくり推進部都市景観室長
平成元年福岡市役所入庁/総務企画局東京事務所調整係長/教育委員会総務部企画係長/城南区役所企画振興課企画係長/経済振興局空港整備推進担当主査/こども未来局子育て支援課長を経て現職