2015.3.21 くらしのにおい 
うごく広告

福岡市内をラッピングバスが走るようになって10年が経とうとしている。
移動する広告物がまちに賑わいをつくり出す取り組みが、是か非かはとりあえず置いておいて、
今回話題にしたいのは、その場に存在し独特なにおいを放つ「動く広告」のはなしである。

kanban

最も市民に親しまれている動く広告なのが、理髪店の「サインポール(通称クルクル看板)」
包帯と血液を表すといわれているこの看板は回転という動作のみで、永遠性を表現している。
青、白、赤のトリコロール配色であるクルクル看板だが、イギリスでは赤と白の2色だけらしい・・・
世界共通のクルクル看板は、ユニバーサルデザインなのだと感心しつつ、お洒落な理髪店の出現により最近減ってないか心配している。

 

動く広告の2つ目は「麺類の箸持ち上げサイン」
50センチ程のドンブリからラーメンやうどん・そばが持ち上がるキャスター付きの移動型電光看板。
上下に動くだけのシンプルな機能がおいしそうに麺を持ち上げる動作に繋がり、市民の食欲をあおる看板である。
箸の部分をフォークに取り替えると海外でも商売として発展できそうな「動く広告」である。

 

福岡市においてまちの風景をつくりだす「動く広告」の王様は「カニ看板」だと思っている。
南区那の川の交差点にあるカニ本家の看板は地域のシンボルであり、面白い景観賞広告部門候補だと思う。
脚の本数や形状から見てお店が売りにしているタラバガニでは無く、ズワイガニなのはなぜだろう?
などという下衆な疑問は置いておくとして、やはりその複雑な動きに注目したい!
空気を切り刻むがごとく左右に揺れながら開閉を繰り返すハサミ部分、上下に飛び出る目玉、
そよ風にゆれる樹々を彷彿とさせ前後に動く左右の3本の脚、そして全く動かない5本目の末脚。
動きの軸がXYZの3方向に存在し且つハサミが開閉しながら動く、ロボズワイガニ!!
ちなみに大阪カニ道楽のカニは目玉が交互に上下するという、違いが見受けられる。
バイトを使って動かしていると仮定するとおそらく3人は必要な動きである。

 

バイトリーダー兼ハサミ担当のAさん時給1,050円、左側の3本脚を体で前後させながら目玉を動かすBさん900円、
右側の3本脚担当のバイト初心者Cさん時給750円、10時間程度動いているので月額80万のバイト人件費となる。
きっとまかないは美味しいカニチャーハンだとおもう・・・(ご飯を食べなくても動く機械って凄いね、経済的ね)

 

 

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kani_honmono

kani_zu

馬鹿な妄想はこれくらいにして、カニ好きの僕としては電光掲示板などのデジタル化の波にどれだけ抗えるかに期待し、
次世代の「動く広告」はきっと人工知能付き壁面型ロボットだと確信している。

 

 

 

 




ogata


建築家、NPO法人九州コミュニティ研究所 副理事長、日本キチ学会代表、九州産業大学非常勤講師。
著書:「秘密基地のつくり方」(2012)