2016.10.11 マチに力を借りるとき 
マチの香り

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マチには様々な香りが漂っています。
ふとした香りで何かを思い出したという経験はありませんか?

香りで記憶が呼び起こされることをプルースト効果と言って、ある小説の中の描写から名づけられたようです。五感の中でも嗅覚は脳の本能的な事や感情を司る部分と直接関わっていて、ちゃんとした科学的根拠もあるみたいですね。

今回は『マチの香りとデート』をテーマに、個人的な思い出と共にご紹介したいと思います。

 

マチの香りには、一年の内でもその日、その時間でしか感じられないものも多くあります。
お祭りもそのうちの一つです。先日、筥崎宮の放生会に行ってきました。
景観と言うと、山や海、建築物などがイメージにありますが、参道に並ぶ露店も一つの景観を作り出しています。

 

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露店って何とも言えないワクワク感がありますよね。神仏を祀る(祭る)という行事はもちろんですが、非日常的な雰囲気とか季節感、露店が並ぶ参道を歩くことも楽しみの一つです。

焼き鳥、イカ焼き、トウモロコシの芳しい香りに、綿菓子やリンゴ飴の甘い香りなど、匂いだけでもお腹いっぱいになりそうです。同時に、片想いをしていた時の気持ちも蘇ってきます。どうやってデートに誘おうか、手を繋ぎたいな、ドキドキした甘酸っぱい少年時代の記憶です。高校生カップルの初々しさを見ると、焼き鳥も高いなぁと現実を見ている自分が恥ずかしいです。

もしもデートに誘う勇気が足りない時は、祭りの力を借りてみてください。そして子供の頃のように、思いっきりはしゃいでみましょう。お腹を空かせて行くことも忘れずに。

 

余談ですが、露店は建築物ではありません。建築物とは、「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(以下省略)」と建築基準法にありますので、該当しません。しいて言えば仮設店舗ですが、「屋根がビニールなどで作られ、取り外しが自由・・・(以下略)(S37住指発第86号)」であれば、こちらも建築物ではない、という事なのでこれにも当たりません。したがって確認申請も不要です。(他の諸手続き、許可は必要です。)

香りとは関係ない話なのでこれくらいで。

 

 

夜のマチにも香りがあります。

 

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夕方になると、マチは様々な色の明かりで賑やかになります。ネオン街は苦手ですが、屋台には露店と同じ魅力を感じます。もちろん、こちらも建築物ではありません。簡単に移動できるようにタイヤが付いています。駐車場に入るコンパクトさに合理的な造り、店主や客同士の距離感、暖簾一枚の開放感など、お店では味わえない風情もあります。その空間の中では不思議な一体感も生まれています。

 

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熱燗におでんの香り、冬の寒い日にはこれだけで十分な気がします。ラーメンもいいですよね。トンコツの香りに誘われて、ついついこれで〆てしまいます。屋台の周りは魅惑の香りで満たされています。

友達からもう一歩進めない時には、屋台で一杯いかがでしょう。ひょっとしたら隣の席のおじさんが彼女(彼)の背中を押してくれるかもしれません。

くれぐれも飲み過ぎにはご注意を。

 

マチの中には樹木の香りもあります。

秋になれば黄色が鮮やかな銀杏が見頃を迎え、道路沿いの並木が季節の移り変わりを演出します。

銀杏の木が街路樹になっている理由に、丈夫でメンテナンスが楽、延焼防止のためという話があります。(諸説あり)落ち葉で黄色に染まる歩道はマチに秋を感じさせます。落ちた実の匂いさえなければ・・・。

「くっさっっ」って笑いあえるデートもありですけど(笑)

 

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落ちた実を拾っている人をたまに見ますが、ギンナン中毒にはご注意ください。子供は7粒までと言われています。大人は40粒以上が危険ラインのようです。さすがに40粒も食べたことはないと思いますが。

因みに、独特なあの匂いって足の匂いと同じらしいですね。『食べるな、キケン』という意味の匂いなのでしょうか。

 

キンモクセイの香りからも秋を感じます。

 

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フワっと風に乗ってくる香りに、思わず廻りを探してしまいます。数日間しか匂っていないはずなのに、強く印象に残っていませんか?不思議ですよね。

朝晩が涼しく感じだした頃のキンモクセイの香りは、人肌恋しくて誰かと一緒に居たくなります。

遠距離恋愛中の、会いたいのに会えない切なさ、キンモクセイはその時の想いが蘇ってくる香りです。因みに『木枯らしに抱かれて』(小泉今日子)が脳内で再生されます。

少し倦怠期気味のカップルさん達へ。どこか懐かしいこの香りを感じながら、初めてデートした頃を思い出してみてはいかがですか?燃え上がっていたあの頃に戻れるかもしれません。油山市民の森は結構お勧めです。

 

デートと言えば、海ですよね。海と言えば潮の香りです。海の近くで育った自分には懐かしい匂いです。
ちょっとしたドライブやツーリングに、海ノ中道と志賀島はどうでしょうか。

 

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玄海灘と博多湾の穏やかさが対照的な海ノ中道を渡り、のんびり島を回って、名物のアワビ丼を食べるのも、デートにはちょうど良いのではないでしょうか。大丈夫だとは思いますが、男性はトイレ休憩をちゃんと考えてあげましょう。コンビニはありませんが、休暇村志賀島を少し過ぎた海辺にあります。しっかり掃除もしてあります。

 

夕日の沈む博多湾も捨てがたいですよね。都市高デートの記事と同じく、助手席の人が景色を見られるように左回りがお勧めです。

 

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海ノ中道はバイクで行くと風で煽られたり、飛んでくる砂で痛い思いをすることがあります。風の強い日はご注意ください。

 

他にも、新緑の青い香り、夏の雨の匂い、冬の朝の乾いた匂い、タクシーの匂い、家畜の匂い、マチには色々な香りがあり、それぞれに思い出が詰まっています。

みなさんもマチに出て香りを感じてみませんか?

きっと10年、20年後に素敵な思い出になっていると思います。

 

 

中村文典




八人力


主に建築設計に従事する15名が集まった集団。
「まちから退屈をぶっとばせ!!」をミッションに、日々活動中。
http://8ninriki.jp