2016.6.20 景色を輝かせるもの 6
寺山修司と一箱古本市

景観について何か書いてくださいってお願いされて始めたエッセイも、今回が最終回。

(正確には、「お前もなんか、書けよ!」って言われたような気もする)

今回は、本を巡る旅へ。

 

写真1

 

古本好きあるある。

1.古本の匂いが好き

2.ページを這う肌色の小さな虫も嫌いじゃない

3.初版かどうかが気になる

4.同じ本を何冊も買ってしまう

福岡のけやき通りでは11月に、一箱古本市が開催される。

ブックオカ」と呼ばれるこのイベントは、市民が自分で持ってきた古本を自分で販売することができて、第25回の福岡都市景観賞にも選ばれている。

こちらは去年の様子。いちばんの楽しみは、本を買ってくれるお客さんとのふれあい。

 

写真2

 

若いころは、古本屋のオヤジになりたかった。

いちばん高く売れたのは、寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」の単行本で、カバーイラストは横尾忠則。売れても売れなくてもどっちでもいいやと思ってたので3600円の強気の値段を付けていた。

30代の女性のお客さんが迷う訳でもなく、サクッとこの本を手に取り、これくださいと、1000円札と一緒に差し出す。

(あれっ、360円と勘違いしてるのかな?)

— この本、3600円なんですよ、高いからやめときましょうかねー。

(えっ!って顔を一瞬した後、財布からザクッと3000円を取り出して)

— いいんです、ください。

(ほんとにいいのかなーって思いながらも、商売、商売。お釣りを渡して大きな声で)

— あざーす!

仕事ではものが売れる瞬間に立ち会うことがほとんどないので、こんな時はゾクゾクする。10年間続いた「ブックオカ」もリニューアルに向けて、今年は1回お休み。パワーアップした来年以降の「ブックオカ」に期待している。

アンテナを張って生活することが大切だと思っている。

そのアンテナは、日々の忙しさで萎みがちになってしまう。

それを補うのが、休日に自分が好きなイベントに、メンドクセーなーと思いながらも

参加してみることなんだと思う。

新しい情報は、本を読むか、他人と話すか、そのどちらかしか得ることができない。

書を捨てよ、町へ出よう!




末松淳一


1971年に生まれてから、ずっと博多在住。
電機メーカー勤務で、趣味は読書。
愛読書は「かもめのジョナサン」
大切なのは、固有名詞。