2015.11.20 くらしのなかのランドスケープ 
大濠公園・舞鶴公園の景

どうしようもなく重たくふくらんだ自分のみっともない体をなんとかすべく、一時期ジョギングをしました。さていざジョギングをしようと考えたときに、市内で最適な場所は・・・と考えるとやはり大濠公園しか思いつきませんでした。そういえば中学生の頃にもここで持久走したような・・。

ということで最近よく行き、その魅力を再発見した大濠公園~舞鶴公園という福岡を代表する都市公園の景をご紹介しようと思います。

大濠公園は福岡県が、舞鶴公園は福岡市がそれぞれ管理する公園で、利用する人からすればどうでもいいことなのですが、市内中心部の代表的な公園が隣り合わせでつながっている、なにげに面白い場所だと思います。これらふたつの公園に関連しては、福岡市都市景観賞でもこれまで数多くノミネートされており、『福岡市美術館の情景』(第4回(1990年度)受賞)、『舞鶴公園の濠』(第17回(2003年度)受賞)、『国指定重要文化財福岡城南丸多聞櫓』(第24回(2010年度)受賞)、『スターバックスコーヒー福岡大濠公園店』(第24回(2010年度)受賞)と受賞歴も豊富なのです。

 

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写真:まるごと福岡博多より引用(提供:福岡市)

 

大濠公園は、1929年(昭和4年)に開園された都市公園で、福岡城の外濠でもあった草香江をもとにした大きな池と、池を貫くように位置する島、外周の約2kmの園路が特徴的です。広い水面ではスワンボートをはじめとしたレクリエーションが楽しめ、外周園路ではジョギング・ウォーキング・サイクリングなどを楽しむ人で週末を中心に賑わっています。

 

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今年の2月にはロイヤルガーデンカフェ(旧花の木)がオープンし、休日を中心に昼間は人でごった返しており、スターバックスコーヒーと共にカフェに入るのもなかなかの競争率となっていて、行列に並ぶのが嫌いな気の短い私は未だどちらも入ったことがありません。

 

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ただ、以前は待ち時間が長かったレンタルボートは、スワンボート、手こぎボートの他に、あめんぼボート(自転車型の2人用ボート)が加わり、全体的に数が増えたのか、最近は比較的待ち時間短く乗れて、子供連れやカップルにはオススメのアクティビティだと思います。

 

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遊具広場もいくつか点在し、今では珍しくなったコンクリート製の大型遊具(滑り台・砂場)は現在も大人気の遊び場になっていますし、水辺に近づける遊具広場もあります。夏場は外周園路沿いの水路で水遊びをする子供も多くみられるなど、幅広い年齢層が楽しめる様々な遊びの機能が整備されていて、常に子供たちで賑わう公園なのです。ウチの娘も一度来たらなかなか帰りません。

 

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その他周辺には福岡市美術館、NHK福岡放送局、日本庭園、能楽堂などが隣接するなど、スポーツ・レクリエーション・文化・芸術など老若男女が幅広く楽しむことができる、まさに福岡市を代表する憩いの場となっていて、その魅力は語り尽くせないのです。

一方の舞鶴公園は、1948年(昭和23年)に開園した、福岡城本丸址を中心とした公園です。春には約500本の桜が咲き誇り、花見客で賑わう、花見の名所としても知られています。

平和台陸上競技場や球技場、鴻臚館跡展示館、福岡城むかし探訪館、梅園、蓮池、牡丹芍薬園など、こちらもスポーツ・歴史を中心に様々な魅力が点在しているのですが、最近私が注目しているのは、大濠公園の東側と隣接する芝生広場(西広場)です。

春の花見や夏の花火大会の際は多くの人が集まる場所なので、ご存じの方も多いとは思います。広い芝生広場なので、ピクニックや軽スポーツにも適しており、グループの集まりなどでも広く利用されています。

 

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その西広場では今年の夏から秋にかけて様々な試み(イベント)が行われていました。

まずは8月下旬の1週間程度ですが、この広場に羊が飼われ、放牧されていました。

私も所属している建設コンサルタンツ協会九州支部夢アイデア部会による実現化プロジェクトの一環で行ったものですが、ヤギ・ヒツジによる除草実験をしようということで、100㎡の区画内にヤギ3匹・ヒツジ6頭を入れ、周辺での放牧(子供による散歩とヤギ・ヒツジによる除草)を行いつつ社会実験を行ったものです。様々なメディアで取り上げられていたので、ご存じの方も多いかもしれませんが、中心市街地の都市公園に羊が放牧される姿はなかなかの衝撃で、触れられるだけでなくリードを付けて散歩までできるとあって、連日子供たちを中心に賑わいを見せていました。

実際100㎡のヤード内と、放牧させていたエリアの雑草は、イベント期間中でほぼ無くなっていて、その効果も確かなもので、これにより新たな公園利活用の形を垣間見た気がして、これが定着すればさらに面白いことになるし、都心の公園景観も変わるなと感じました。

 

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また、9月中旬から下旬にかけては、「オクトーバーフェスト2015」の会場となり、10日間にわたってドイツビールのお祭りが行われていました。

どうやら舞鶴公園で行われるのは初めてのようで、有名なのは冷泉公園で毎年催されている「オクトーバーフェスト」の方だと思います。

“オクトーバー(10月)”でもないけど・・・まぁ飲めるならいいか。ってな感じでこちらも多くの人で賑わっていました。

私もジョギング後にたらふく飲んでしまい、まったく逆効果となりました。

 

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また、10月17・18には、昨年まで天神中央公園で催されていた「グリッピキャンペーン」がこの西広場に場所を移して開催され、天候に恵まれたこともあり、多くの人で賑わっていました。

花や緑に関連する様々な団体やブースを出展し、これまでより会場が広くなったこともあって、昨年までより活動的なイベントも増えていて、特に広場内の大クスを使った木登り体験(樹木医協会)は子供が集まり、人気を博していました。

 

 

このように新たな魅力、新たな利活用方法を増やしつつ、その景観を変化させている2つの公園ですが、現在大濠公園と舞鶴公園の一体的な活用を図り、憩いの場としてのさらなる発展と、歴史、芸術文化、観光の発信拠点として、公園そのものが広大なミュージアム空間となるような公園づくりを進めるため、「セントラルパーク構想」なるものが策定され、推進されています。今後の展開も非常に注目なので、みなさん実際に足を運び、ここでは紹介しきれなかった魅力と景観の発掘を兼ねて探索してみては如何でしょう。

※セントラルパーク構想については下記HPでも確認できます。




佐藤宣之


ランドスケープデザイン(主に公園設計)に従事して20年余りたつが未だ修行の日々。
近頃の休みは愛する娘(3歳)を連れての市内外都市公園巡りが楽しみ。
酒と肉と映画をこよなく愛する43歳。